歓迎とは程遠い状況だった。フランス代表FWアントワヌ・グリーズマン(30)が、ポルト(ポルトガル)と対戦した15日の欧州チャンピオンズリーグ1次リーグ初戦で古巣スペイン1部アトレチコ・マドリードの一員として久しぶりにホームスタジアムへと戻ってきたが、ブーイングが浴びせられた。

 2019夏にバルセロナへと移籍したグリーズマンは、今季期限付きで古巣へ復帰。この日は復帰後ホーム初戦となった中、選手紹介で名前をアナウンスされて聞こえてきたのは、多くがブーイングという異様なムードとなった。さらに後半11分からピッチに投入されたときにも、口笛を吹かれて茶化されるような扱いを受けた。

 2019年夏にケンカ別れの形でバルセロナへ移籍しただけに、根に持っているサポーターも少なくないのだろう。英紙「サン」は「Aマドリードのファンから残酷なブーイングを受けた」と表現。試合で不発に終わり、試合は0―0の引き分けに終わった。ファンの心をつかむことはできなかったが、とにかく結果を出して認めてもらうしかない。

 グリーズマンは、バルセロナ時代の2019夏のプレシーズンツアーで日本を訪れたとき、当時チームメートだったフランス代表MFウスマヌ・デンベレとともに日本人を差別する行為を行っていた。7月にその様子が収められた動画が拡散し、猛批判を浴びて謝罪していた。