スペイン1部アトレチコ・マドリードは移籍期限となった31日(日本時間1日)、同1部バルセロナからフランス代表FWアントワヌ・グリーズマン(30)をレンタルで獲得したと発表した。グリーズマンは古巣復帰となり、同国紙「アス」は期間延長や完全買い取りのオプション付きと報じている。

 AマドリードはMFサウール・ニゲスがイングランド・プレミアリーグのチェルシーにレンタル移籍となり、かつて所属したグリーズマンに白羽の矢を立てた。締め切り時間が迫る中、交渉が成立。3シーズンぶりの電撃復帰が決まったが、グリーズマンとバルセロナにとっては〝渡りに船〟だったに違いない。

 特にグリーズマンは各方面から厳しい批判にさらされていた。シーズン前には日本人への差別発言が問題視。かねて移籍金1億2000万ユーロ(約156億円)と年俸2100万ユーロ(約27億3000万円)と破格の待遇で加入したものの、ここまで金額に見合ったパフォーマンスを見せられていないこともあり、サポーターの不満は高まっていた。さらにアルゼンチン代表FWリオネル・メッシの退団についてもファンから「お前のせいだ」と罵倒されるなど、苦境に立たされていた。

 もちろん、クラブとっても深刻な財政難の中、グリーズマンの年俸負担がなくなったのはプラスだろう。さらに差別発言でゼッケンスポンサーを務める「楽天」など各メーカーから非難されるなど〝問題児〟だった。それだけにAマドリードからのオファーはクラブにとっても、グリーズマンにとっても悪くない選択肢となったようだ。