スペイン1部レアル・マドリードが、日本代表MF久保建英(20)の東京五輪への参加を容認した理由とは――。

 東京五輪代表メンバーの18人に選出された久保。Rマドリードはこれまで五輪への選手派遣に消極的で、実際に今回の東京五輪でもFWビニシウス(20)ら3人のブラジル選手の招集を打診があったにもかかわらず拒否した。

 久保の招集にはなぜゴーサインが出たのか。スペイン紙「アス」がその理由を解説した。「タケが日本チームで演じる役割に非常に大きな期待が寄せられている。定期的にプレーできなくなったシーズンの後、国際的なサッカーの舞台で存在感を取り戻す良い機会になるかもしれない。彼にとって来季の最も可能性の高い選択肢はローン移籍だが、クラブは大会(五輪)によって久保が良いチームの興味をそそることができることを認識している」と分析。今季の久保はビリャレアルとヘタフェで出場機会を思うように得られず評価を大きく下げたが、強豪が集う国際舞台の五輪で活躍すれば選手としての価値を高めることができ、多くのクラブからのオファーが見込めるというわけだ。クラブにとっても久保本人にとってもオファーが増えて選択肢が広がることはメリットがあるだけに、双方の思惑が一致して本来ならば認めない五輪出場に許可が出たのだ。

 同紙は「シナリオは理想的だ」と指摘しているが、もちろんすべては久保の東京五輪での活躍が前提。日本の至宝は自らの将来を切り開くプレーを見せることができるか。