欧州選手権1次リーグのフィンランド戦でデンマーク代表MFクリスティアン・エリクセン(29=インテル)が突如、意識を失って倒れ衝撃が広がったが、主将の勇敢な行動が命を救ったと称賛を集めている。

 エリクセンは前半終了間際に突然倒れ込み、そのまま動かなくなった。緊急事態に試合は中断し、すぐさま医師らによる応急処置が施された。心肺蘇生など10分間の処置を受けた後、エリクセンは病院へ搬送。大会を主催する欧州サッカー連盟(UEFA)やデンマークサッカー協会は、意識が戻り容体は安定しているとの声明を発表した。

 米テレビ局「CBS」によると、代理人を務めるマーティン・ショーツ氏は「エリクセンは呼吸をしていて話すこともできる。彼は意識を取り戻した」と語っており、一時の危険な状態は脱しつつあるようだ。

 そうした中、オランダメディア「433」はエリクセンが倒れた際に同僚で主将を務めるDFシモン・ケアー(32=ACミラン)の初動対応を絶賛している。

「エリクセンがピッチで倒れたとき、ケアーは最初に彼を助け、医療チームをすぐに呼んだ。その後に彼は治療を受けている間、エリクセンをカバーするようにチームメートを導き、エリクセンの妻サブリナを慰めた。尊敬以外の何物でもない」と、その動きをたたえた。

 迅速な対応で救命に貢献したうえ、エリクセンを気づかって処置中の姿が観衆から見えないように同僚選手に呼びかけて円陣をつくり、動揺する夫人を落ち着かせるなど、あらゆる面で最善の対応を行った。

 エリクセンにとってまさに救世主となったケアーの行動に、世界中から拍手が送られている。