【前園真聖 Zoom up】注目を集めるMF久保建英(19=ヘタフェ)がスペインで2年目のシーズンを終えました。

 本人も予想しなかったようなシーズンになってしまったでしょうし、満足するような結果ではないと思います。今季に関しては、あまり評価には値しないでしょう。

 強豪のビリャレアルでスタートしましたが、なかなか出場機会を得られず、下位で試合に出られるはずのヘタフェに行ったのに、そこでも思うように出られませんでした。今は試合にどれだけ出場できるかが大事な時期なので、そういった意味で、今季は決してプラスとは言えません。

 ただ、長いサッカー人生の中でこういった試練を経験することも大事でしょう。苦しい思いをしたシーズンではありましたが、最後に少ないチャンスの中ですばらしいゴールを決めて結果を出したこともポジティブな要素だと思います。

 今後は次にどのようなチームでプレーするのか、その選択が非常に重要になってきます。まずはプレータイムを伸ばすことが最優先です。そうした点から、保有元であるレアル・マドリードという選択肢は〝なし〟です。たとえベンチに入っても、来季いきなり常に出場できる状況は考えにくいからです。ドイツなど他国でのプレーも選択肢に挙がるでしょうが、語学や環境も考慮すると、やはりスペインでのプレーを基本線にしたほうがいいと個人的には思います。

 スペインで下位のチームならばレギュラーとして起用するところもあるでしょうが、ヘタフェのように守備的ではなく攻撃的なチームがあるかどうか。難しい選択にはなると思いますが、じっくり考えて実力を発揮できる新天地を探してもらいたいですね。

(元日本代表MF)