スペイン1部ヘタフェのU―24日本代表MF久保健英(19)は2―5で敗れたものの2得点に絡んだ22日のバルセロナ戦でフル出場したが、この一戦がホセ・ボルダラス監督(57)の低評価を改めて浮き彫りにした。それはバルセロナ戦から中2日でウエスカ戦(25日)が控えていることと密接に関係している。

 残留を目指しているヘタフェにとってバルセロナに負けても仕方ないとしても、降格圏18位に沈むウエスカからは絶対に勝ち点3を取らなければならない。スペイン紙「アス」は「ヘタフェはここ数シーズンで最も重要な試合の1つがウエスカ戦。ロッカールームでは〝ファイナル〟と呼ばれている。勝てば残留に大きく前進する一方で負ければ降格が近づき、余裕がない状態で残りを試合を戦うハメになる」と指摘した。

 だからこそ指揮官は〝ファイナル〟に備えてバルセロナ戦で主力を温存。累積警告で大一番の出場停止を避けるため、ベンチ入りさせたMFハイメ・マタとMFダビド・ティモールを使わず、1―3で折り返して強豪相手にドローも厳しいと見るやMFマルク・ククレリャ、MFカルレス・アレニャ、MFネマニャ・マクシモビッチを前半だけで交代させた。全ては主力をウエスカ戦に全力投球させるためだ。

 そんな状況を踏まえるとフル出場した久保がどんな立ち位置か容易に想像がつくだろう。これまでの起用からすでにボルダラス監督の序列が上位でなかったのは明らかだったが、こんな扱いからもにじみ出てしまった格好だ。