突如発表されながらも、撤退クラブが相次いで崩壊の危機にある欧州スーパーリーグ(ESL)について、まだ今後に向けた態度を示していなかったスペイン1部バルセロナが22日、クラブの公式サイトで声明を発表した。

 まずは大前提として「現在の社会経済的状況においては、このスポーツを維持するため構造改革に着手する必要がある」と述べた上で「サッカーファンに提供されるショーの魅力とクオリティーの向上のため、ESLの創設クラブとなることを受け入れた」と今回の経緯の一端を説明した。

 今回のESL構想はサッカー関係者だけでなく、ファンからも猛反発を招き、社会情勢に鑑みたイングランド・プレミアリーグの6クラブ、イタリアの3クラブ、スペインのアトレチコ・マドリードがすでに撤退の意向を明かしている。残るバルサとレアル・マドリードは完全に“悪者”扱いされているが、それでもバルサはESL参戦について「この構想への参加を放棄するのは歴史的な誤りとなる」と正当化し、今回のプロジェクトにとどまるつもりだ。

 バルサは「ソシオ」と呼ばれるクラブ会員の財産であるため、クラブ幹部の独断による決定権はない。それだけに「提案に対して慎重に検討を行う必要があり、(ソシオに)最終承認の権利がある」として、ソシオによる投票で今後の方針を定める考えも提示。「こういった深い分析を行うためには、早急な行動を起こさず、十分に時間をかけた検証が必要」とも付け加えた。

 今回の騒動で欧州サッカー連盟(UEFA)のアレクサンデル・チェフェリン会長(53)はESL構想に賛同したクラブへの制裁の可能性を示唆しているが、バルサ側は「不当な圧力の下で反省や討論に対する必要なプロセスを確立するのは不適切」とけん制。“首謀者”のレアル・マドリードとともにESL構想を維持するバルサはまだ厳しい立場から免れられそうにない。