東京五輪の政治的行動禁止決定に韓国で賛否両論「30%に達する選手が表現の自由支持」の声も 

2021年04月22日 19時08分

韓国メディアに発言を取り上げられたFIFAインファンティーノ会長(ロイター)

 国際オリンピック委員会(IOC)が東京五輪の試合会場や表彰式などで政治的な行動を禁止すると発表し、韓国で賛否両論が沸き起こっている。

 大会の開催を前に、五輪の会場における「デモンストレーション、政治的、宗教的、人種的なプロパガンダ」を禁止する五輪憲章第50条を緩和すべきだという意見が一部で上がり、IOCはアスリートを対象にアンケートを実施。その結果、7割近くが公式の場で個人の意見を表現することは「適切ではない」と答えた。

 この結果を受けてIOCは今大会でも従来通り同条項の順守を求めることを決定したが、これに敏感に反応したのが韓国メディアだ。

「デーリースポーツ韓国」などが一斉にこの決定とともに韓国の過去の違反事案を報道。「韓国選手が懲戒を受けたケースもある。事件は2012年のロンドン五輪で日本とのメダル決定戦で起きた。日本を2―0で破った後、勝利のセレモニーをする過程でMF朴鍾佑(パク・チョンウ=32)が取り出した「独島(竹島)は私たちの土地だ」というメッセージが問題になったのだ。IOCは朴も政治的行為とみなして懲戒を下した」と指摘した。

 処分されたとはいえ朴の政治的パフォーマンスは韓国内では称賛の声が多く、今回のIOCの決定を受けて「MHNスポーツ」は「表現の自由VS政治中立性だ」と報道。

「70%の選手が五輪で自分の見解を明らかにしたり行動するが不適切と答えた。しかしこれは、少なくとも30%に達する選手たちが表現の自由を支持しているとの解釈が可能である」とIOCの決定を批判的に報じ、表現の自由の重要性を訴えた。

 同メディアは最近見られる人種差別に反対する選手の行動を取り上げ「国際サッカー連盟(FIFA)の会長は差別に反対するパフォーマンスに処罰ではなく、拍手を送らなければならならないとの強い支持を表明している」。表現の自由の制限は世界的な時流に沿っていないと主張した。

 日本と韓国の間には慰安婦や徴用工に関する訴訟など政治的問題が山積しており、東京五輪が格好の政治的メッセージ発信の場として利用される恐れがありそうだ。

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