欧州のみならず、全世界のサッカー関係者を混乱の渦に巻き込んだ欧州スーパーリーグ(ESL)構想はイングランド・プレミアリーグ6クラブの撤退発表で一気にトーンダウンしたが、そのイングランドでは〝裏切り者〟になりかけた6クラブに対する処分の是非についての論争が始まっている。

 18日の発表時点で名を連ねていたアーセナル、トットナム、リバプール、マンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティーの5クラブは20日に撤退を表明し、唯一残っていたチェルシーも少し遅れて撤退を正式に発表。猛反発していたファンも「フットボールは守られた」と胸をなで下ろした。これで落ち着いたかに見えるが、一方では過激な意見も飛び交っている。

 最も多い声は「6クラブには罰則を設けるべき」というもの。その種類は「勝ち点減点」「罰金」「欧州大会出場禁止」の3つとなっている。英紙「サン」は「この6クラブはドルトムント(ドイツ)のように『ノー』と言うチャンスがあったにもかかわらず、一度は承諾した。世間を混乱させたことで、罰を受けることになる」としてファンからのアンケートを実施しているほどだ。

 同紙は「勝ち点減点は現実的ではなく、欧州大会の出場禁止処分もすぐにはできないかもしれない」ということで、高額な罰金が科されることを予想。その一方で「何も罰則は必要ない」という項目も設けられており、一部のファンからは「とりあえず騒動は収まったのだから、もうそれでいいじゃないか」という声があるのも事実だ。