小学生時代の性的暴行疑惑が騒動になっている韓国1部FCソウルのMF奇誠庸(キ・ソンヨン=32)がKリーグの月間MVPを獲得する活躍で、韓国代表復帰へ待望論が高まっている。

 昨年7月にKリーグへ復帰した奇は今季開幕から絶好調で、第3節の仁川戦、第5節の光州戦、第6節の水原戦と3試合連続ゴールを決めるなど大活躍。ファン投票で得票率1位となり、3月の月間MVPに選出された。

 こうした活躍ぶりに、韓国内では代表入りへの待望論が過熱。奇は2019年のアジアカップを最後に代表引退を宣言しているが、同国メディア「インターフットボール」は「現在の活躍ぶりは、代表チームに復帰しても十分だという評価が広まっている。まだ(韓国代表の)ベント監督が奇に代わる完璧な選手を見つけられていないという意見も支配的になっている」と報じており、奇の代表復帰を待望する世論が高まっているようだ。

 一方で、奇を巡っては2月に小学生時代の性的暴行疑惑が浮上。疑惑を否定して徹底抗戦する奇は告発者を相手どり5億ウォン(約5000万円)の訴訟を起こし、双方が激しくののしり合うなど騒動が泥沼化している。また奇は11年アジアカップ準決勝の日韓戦で、PKでの得点後に日本人への侮辱にあたる“猿マネパフォーマンス”を行って大問題になった。こうした物議を醸す過去を持つ奇が代表復帰となれば、日本はカタールW杯アジア最終予選で対戦する可能性もあり、大きな波紋を呼びそうだ。