Jリーグ在籍時の暴力騒動により市民団体が解雇を要求している韓国2部忠南牙山のMF道渕諒平(26)の去就問題が迷走している。

 2月に加入した道渕を巡っては、市民クラブのため犯罪歴のある道渕のプレーは「公益性に反する」として約50の地元市民団体が共同で即時解雇を要求している。

 これに対してクラブ側は8日にイ・ウンジョン社長が今後放出する方針を約束。しかし一転して方針を覆し、市民団体との対立が深刻化している。

 韓国メディア「ノーカットニュース」によると、13日にクラブ、運営に携わる牙山市と市民団体による会談が行われたが、そこでクラブ側からまさかの提案が出されたという。市民団体側の出席者によると、クラブ側は「事態の深刻さについては共感するが、すぐに道渕の退団に対しては反対の立場を明らかにした」と当面は放出しない方針を明言した。

 さらに「道渕をアウェー試合のみ出場させる」というプランをクラブ側は提示。道渕の出場に関しては本拠地の地元住民が反対しているため、アウェーの試合に出場させるならば問題ないとの見解を示したのだ。解雇方針の撤回どころか開き直ってアウェーで起用するという回答に「これで解決できると考えていること自体に問題がある」と市民団体側は激怒。

 さらにクラブ側は退団を模索する場合も解雇ではなく「6~7月あたりにトレードする計画を出してきた」と出席者。これだけ問題が拡大している選手を獲得しようとするクラブがあるはずもなく、市民団体はバカにするにもほどがあるとあきれかえっているのだ。

 場当たり的な対応を繰り返すことでクラブに対する批判も高まっており、もはや収拾がつかない状況になってきた。