日本代表をけん引した元エースコンビが窮地に立っている。アゼルバイジャン1部ネフチ・バクーのMF本田圭佑(34)は新天地デビューで精彩を欠き、早くも現地では酷評。ギリシャ1部PAOKのMF香川真司(32)も足首の負傷で1か月実戦から離れ、これまで好意的だった現地メディアが手のひら返しで批判に転じた。2人が目指す森保ジャパン復帰は極めて厳しい状況だ。


 本田は4日のスムガイト戦で後半から途中出場したが無得点に終わり、チームも0―2で敗れた。シュートを打つ場面もあったが動きや判断の遅さが目立ち、お世辞にも活躍とは言い難い内容。ホームで完敗を喫したことで現地メディアでは酷評の嵐となった。

「スプートニクアゼルバイジャン」は「ホンダのデビューは失敗し、ネフチは首位から陥落」とデビュー戦に失格の烙印を押してバッサリ。「アゼリスポーツ」は「彼の最初の試合でもっと体の状態を上げる必要があることを露呈した。彼は昨年末から公式戦に出場しておらず、すでに4か月。彼にはまだしばらく時間が必要だ」。昨年12月にブラジル1部ボタフォゴを退団して以来実戦から遠ざかっており、復調にはかなりの時間を要するとの見解を示した。

 しかし、激しい優勝争いを展開しているリーグ戦は残りわずか7試合。本田の復調を悠長に待っている余裕はなく、今後は出番が減る可能性もある。決してレベルが高いとは言えないリーグで通用しないようなら、目標とする東京五輪代表のオーバーエージ(OA)枠入りは絶望的だ。

 かつて代表で本田と双璧をなした香川も苦境に陥っている。1月にPAOKへ加入後、半年近く実戦から離れていたことを考慮されて出場時間を限定して慎重に起用されてきたが、足首を負傷して先月7日のアリス戦以降は欠場が続く。4日のパナシナイコス戦でもベンチ入りメンバーから外れ復帰がまた遅れることになり、入団以来好意的だったギリシャメディアもついに牙をむき始めた。

「スポルタイム」は「カガワはメイド・イン・ジャパンの失敗作だ!」と屈辱的な見出しで猛批判。さらに「彼は素晴らしい実績を持って加入したが、PAOKで違いを生み出せるかは今のところ不透明だ。彼は調整する時間を購入したが、ガルシア監督の信頼を全く得られていない」と指摘。今後の活躍に疑問を呈した。

 香川は2019年3月に森保ジャパンで初めて招集された際に「次のカタールW杯に向けて挑みたい」とA代表でのプレーを熱望している。だが、今の森保ジャパンでは国内外の新戦力が次々と台頭しており、このままでは復帰は遠のくばかり。栄光を築いた両エースが、サッカー人生の岐路に立たされている。