元日本代表MF香川真司(32)は、昨年10月にスペイン2部サラゴサとの契約を解除し、約4か月間の無所属期間を経てギリシャ1部PAOKに移籍したが、ここまで目立った活躍を見せていない。期待が大きいだけに落胆も大きいのか。現地では〝日本の元10番〟への失望感が漂い始めている。

 ギリシャメディア「メトロスポーツ」は、香川のあふれるやる気を認めた上で「彼は昔の自分に戻って欧州のビッグクラブに復帰したいと思っている。彼がこれまでに経験してきたことを考えれば、ギリシャのリーグやカップなどは、彼にとって全く意味のないものだだろう」と腰かけ移籍だと指摘した。

 その上で現在のパフォーマンスの物足りなさを皮肉を交えて伝えた。「問題は、彼がそうしたいかどうかではなく、そうできるかどうか。彼が得意とするのは、チームメートに指示を与える交通監視員の役割。ただピッチを歩き回っているだけでは、ピッチコーチを務める資格はない。過去の実績だけでは、リーダーとして認められない。出番を失った)チームの他のメンバーが、彼を叩かずに耐えられるのが不思議だ」。

 そんな失望の矛先は、獲得を決断したクラブにも向けられた。「無所属期間がありながら、あのころ(ドイツ1部ドルトムント在籍時)のようになるだろうと考えたから獲得したのだとしたら、彼らはサッカーのことを何も知らないことになる。去年の夏から1月まで引き取り手のない状態だったことも考慮されなかった」と批判した。

 もちろん今後の奮起を促す意味を込めての辛口評価だろう。ギリシャ1部は21日からレギュラーシーズン上位6チームによるプレーオフ(PO)がスタートし、PAOKはホームAEK戦を控える。香川は足首を痛めたため、レギュラーシーズン最終戦パナシナイコス戦はベンチから出番なしだったが、POでは全盛期をほうふつとさせるプレーを見せられるか。