ドイツ1部ドルトムントのエースFWエーリングブラウト・ハーランド(20)がチームメートに怒り爆発だ。

〝事件〟が起こったのは20日に行われた敵地での第26節ケルン戦。開始3分、最終ラインからのロングパスを受けたハーランドは絶妙な体の使い方からGKの股を抜くシュートで先制点を奪った。

 だが、35分にPKで同点とされると、後半20分に再び失点してリードを許す展開となった。敗戦かと思われた同45分、相手GKとDFの間に入ったグラウンダーの右クロスに反応したハーランドが起死回生の同点弾。クラブタイ記録となる今季8度目の複数得点でチームを敗戦から救った。

 にもかかわらず、終了の笛を聞いたハーランドはすぐにユニホームを脱ぎ、仲間との抱擁やエディン・テルジッチ監督と会話を交わすことなく、わずか14秒でピッチから姿を消した。その表情は怒りに満ちていた。

 ドイツ紙「ビルト」によると、ハーランドの怒りはすでにハーフタイムに頂点に達していたという。ロッカー室に入る際にドイツ語での〝Fワード〟を連発していたという証言を掲載。先制しながら消極的なプレーを見せたチームメートに不満を募らせていたようで「面白くもなんともない」とも言っていたようだ。

 今季、ここまでハーランドは出場21試合で21得点という決定力を発揮。しかし、チームは取りこぼしが多く、26試合終了で勝ち点43の5位と伸び悩み、来季の欧州チャンピオンズリーグ(CL)出場圏内の4位Eフランクフルトとの勝ち点差は4と広がった。エースはこの原因が、チームメートのレベルがワールドクラスに達していないことを周囲に漏らしている。

 来季の欧州CL出場を逃せば大幅な収入減となるだけに、クラブはハーランドの放出を覚悟。だが、仮に出場権を手にしたとしても、ハーランドとチームメートの溝が生まれていることを考えれば、チームを去るのは既定路線かもしれない。