小学生時代の性的暴行疑惑で渦中の人となっている韓国代表MF奇誠庸(キ・ソンヨン=32、FCソウル)が〝鬼メンタル〟の持ち主だと指摘されている。

 疑惑を否定する奇と被害者とされる人物の主張が平行線をたどり、韓国国内では騒動が収まる気配はないが、今季から復帰した古巣FCソウルでピッチ外の雑音をものともしない活躍を見せている。

 そんな中、韓国紙「スポーツソウル」は、「奇は極めて異例なメンタルの持ち主」と題して、スポーツ心理学の専門家である仁荷大学の金ビョンジュン教授の見解を報じた。

 同教授は「敏感なスポーツ選手は、こうした議論に巻き込まれると崩れてしまうことが多いが、精神力が強い選手は、騒動とパフォーマンスを分離して考えられるメンタルを持っている」と説明。イングランド・プレミアリーグなど高いレベルでプレーしながらこのメンタル術を身につけていったと分析した。

 その上で「信念通りに何かするには、妨害行動を統制できる自信がなければならない。奇誠庸は議論を避けず、これを統制する自信を持っているのでは」と指摘した。

 つまり何事にも動じない精神力を持っている上に、今回の一件では自身が〝無罪〟だと信じて疑わないから、パフォーマンスに影響が出ないというわけだ。本人は現状について「どんな状況でもピッチ上で動揺してはいけない。特に今のような状況では、より集中しようとしている。ピッチ上で最善を尽くし、結果を残すことが自分の役割」と語っている。

 奇誠庸といえば、2011年アジアカップ準決勝・日韓戦の〝猿まねパフォーマンス〟で騒動を起こした選手として、日本でも知られている。