【フランス・パリ発】奇跡の再現はならなかった――。欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦第2戦(10日=日本時間11日)、バルセロナ(スペイン)は敵地でパリ・サンジェルマン(フランス)に1―1で引き分けたものの2戦合計2―5で敗退した。逆転の期待が高まっていた中、FWリオネル・メッシ(33)がPK失敗し、追撃ムードに水を差した。バルセロナが8強入りを逃したのは14季ぶりでエースの去就への影響も懸念されている。

 世界ナンバーワンFWが痛恨のPK失敗だ。第1戦を1―4で落としているバルセロナは、勝ち上がるには4点以上が必要とあって序盤から猛攻を仕掛けた。ただ、前半31分にエリア内で痛恨のファウルを犯し、PKを献上。これをパリSGのエースFWキリアン・エムバペ(22)に決められて先制を許してしまう。

 それでも37分にメッシが豪快なシュートを決めて1―1の同点に追いつくと、前半アディショナルタイムにはFWアントワヌ・グリーズマン(29)がファウルを受けてPKを獲得。しかしキッカーを務めたメッシがまさかの失敗で、大逆転に向けて高まっていたチームの追い上げムードも一気に収束してしまった。

 バルセロナは2017年のCL決勝トーナメント1回戦でパリSGと激突し、第1戦を0―4と落としたものの、迎えた第2戦で6―1と大逆転し「カンプノウの奇跡」と呼ばれている。試合前の記者会見でロナルド・クーマン監督(57)も「不可能はない」とし、4年前の再現が期待されていたが、後半も一進一退の攻防でミラクルを起こせなかった。

 試合後、指揮官は「前半を1―2で折り返せていたらすべてが変わっていたことだろう」とメッシのPK失敗を悔やんだ上で「前半に素晴らしい試合をしたし、私たちの方が上だった。多くのチャンスを手にしたが、それを生かせなかった。だが、良い感触がある」と振り返った。

 また、CLの早期敗退でオフの動向が注目されるメッシについて、クーマン監督は「メッシの決断はチームのクオリティーとは関係ない」とコメントしたが、14季ぶりに8強入りを逃したことは、エースの去就に大きな影響を及ぼしそうだ。