中国1部の昨季王者の江蘇FCの破綻が、中国リーグ崩壊への序章となりそうだ。

 江蘇FCは2月28日に運営停止を発表。親会社の家電販売大手「蘇寧グループ」が新型コロナ禍による経営難でクラブ運営から撤退することになった。

 昨季リーグ戦を制覇した王者の突然の破綻に中国サッカー界では衝撃が走ったが、今後は中国のプロリーグの存続に懸念が出てきそうだ。

 中国メディア「テンセント」は昨年中国リーグ全体で17クラブが消滅するなど経営破綻が続いている現状を紹介。その中には1部の強豪である天津天海なども含まれており、今後のリーグ運営に懸念を示した。

 中国紙「北青体育」も「ドミノ倒し! 江蘇FCの運営停止は連鎖反応につながる」と報じ、今後はクラブの経営破綻が相次ぐ恐れを指摘した。

 海外メディアも中国リーグの行く末を不安視しており、英紙「ガーディアン」は「中国サッカーのクラブの多くは多額の借金を抱えており、企業資金に依存している。彼らが自立できるかどうかの問題がある」。親会社が本業で不振に陥ればすぐに経営から撤退する中国サッカー界ならではの体質を指摘し、新型コロナ禍による企業への打撃が中国リーグの運営に影を落とす可能性を示した。

 またオーストラリアメディア「ワールドゲーム」も「最優先事項は他のクラブが倒産しないようにすることだが、長期的には中国スーパーリーグがより減退していくことの恐れが間近に迫っている」と中国リーグの危機的状況に切り込んだ。

 チャイナマネーによる爆買いで一時は隆盛を誇った中国リーグがピンチを迎えている。