捨てる神あれば拾う神あり――。スペイン1部ヘタフェの日本代表MF久保建英(19)の来季移籍先候補に同バレンシアが名乗りを上げそうだ。

 1月にヘタフェに加入した久保はホセ・ボルダラス監督(56)からの信頼を失い出場機会が激減。飼い殺し危機に直面しており、アピールできないままシーズンを終えれば保有元であるレアル・マドリードからの評価も急落が必至だ。すでに今夏の放出リスト入りも明らかになっているが、たとえRマドリードが手放さなくても来季は再び武者修行が確実。いずれにしても移籍先を模索することになる。

 スペイン国内での評価急落で新天地探しが難しくなる中、久保に救いの手を差し伸べそうなのがバレンシアだ。久保が今冬にビリャレアルから再レンタル移籍を希望した際にRマドリード専門メディア「デフェンサセントラル」が「バレンシア、レアル・ソシエダード、バリャドリード、べティスの4クラブが獲得を計画」と報じているように、バレンシアは以前から久保の実力を高く評価している。

 他のクラブはEU圏外枠の問題もあって現在は消極的だが、地元紙「デポルトバレンシアーノ」はシンガポール人オーナーのピーター・リム氏が「アジア市場を掌握する夢を持つ」と指摘。人気のあるアジア人選手の獲得に積極的だ。現在在籍する韓国代表MF李康仁(20)は多くの強豪クラブが獲得を狙い本人も退団を希望しているため、その後釜として〝ピッチ外のスター〟である久保に関心を寄せている。

 李の代役というのは屈辱的な扱いとはいえ、古豪が拾ってくれるのなら悪い話ではなさそうだ。