イングランド・プレミアリーグの昨季王者リバプールが今季の不振により、約220億円の損失危機に瀕している。

 英紙「リバプールエコー」は、リーグ戦3連敗で連覇が絶望的になったリバプールが欧州チャンピオンズリーグ(CL)の出場権を獲得する4位以内の死守も厳しくなってきた状況を指摘。そのうえでサッカーの財務専門家であるキーラン・マグワイア氏の話として「リバプールがCL出場権を獲得できなかった場合、1億5000万ポンド(約220億円)を失う可能性がある」との見解を報じた。

 CLは賞金や放映権が高騰しており、出場クラブにとっては莫大な収益源となる。どこまで勝ち進むかにもよるが、同氏によるとCLに出場すれば少なくとも4000万ポンド(約59億円)、最大で1億5000万ポンドの収益が見込め、出場権を逃せば巨額の損失になるという。

「リバプールは今年の夏にチームに再投資する必要がある。これは将来のタイトル獲得に向けて大きな打撃を与えるだろう」と同紙が指摘するように、補強プランにも大きな影響が出てくる。また、世界最高峰の舞台であるCLに出場できないことで移籍をためらう選手が出てきてもおかしくない。

 そのためマグワイア氏は「1位と2位の差は、賞金で200万ポンド(約2億9000万円)未満だ。それはピーナッツほどの差だ。しかし財務的な観点から(CL出場権のボーダーラインの)4位と5位の差は、1位と2位よりもはるかに重要だ」と警告した。

 現在リバプールは4位だが、5位チェルシーから9位トットナムまでとは勝ち点差がわずかでしかも試合の消化が多い。今後巻き返せずCL出場権を逃せば、一気に暗黒時代が到来してもおかしくはない。