イングランド・プレミアリーグ、サウサンプトンの日本代表MF南野拓実(26)が、格好の“お手本”を提示された。

 出場機会を得られなかったリバプールから新天地へと移籍した南野は、2―3で敗れたニューカッスルとのデビュー戦(6日)で前半30分に移籍後初ゴール。今後の活躍を予感させた中、長年サッカーの動作解析などの研究に携わり、名門・筑波大サッカー部の部長を務める同大の浅井武教授はマンチェスター・ユナイテッドなどで活躍した元韓国代表MF朴智星が参考になると指摘した。

「朴智星は点を取るけど、点取り屋ではない。小さい体だけど、精力的に動いてチャンスをつくっていた。ゴールにも絡むけども、一生懸命追いかけたり、プレスしたり、体を張って守っていた」。朴(175センチ)と南野(174センチ)は大柄ではなく、得点のみを狙うストライカーではない点でも共通している。

 それだけに、プレミアで結果を残した朴は南野にとっても見習うべき部分は多い。浅井教授は「攻守にチームに貢献できて精力的に動く。そして、ダイナミックにも動ける選手になると、クラブの中で使いどころが多い。そうすると、南野選手もいろいろなところからオファーが来るだろうし、より上のレベルでも活躍できるのでは。ユーティリティープレーヤーとしてパフォーマンスができると重宝される選手になる」と朴を“教材”にするメリットを挙げた。

 リバプールでつかめなかった安定した出場機会を得て、南野は“朴智星化”へ進んでいくのか。その完成度も、さらなる飛躍のポイントになりそうだ。