【武田修宏 Take it easy】イングランド・プレミアリーグ・リバプールの日本代表MF南野拓実(26)が、今季終了までの期限付きで同サウサンプトンへ移籍したね。

 MF久保建英(19)がスペイン1部のヘタフェに移籍したときも言ったように選手はピッチに立つことが大事なので、出場機会が増えそうな移籍は正解だと思う。それに日本代表DF吉田麻也(32=サンプドリア)が2012年から7年半在籍し、キャプテンも務めたこともあるチームなので、日本人への理解度もあるチームなんじゃないかな。そういう意味で活躍する下地は整っていると言える。

 だからといって簡単にレギュラーをつかめるほど甘くはない。リバプールでは与えられたチャンスで結果を出せなかったから出場機会がなくなってしまったわけで、それはサウサンプトンでも同じ。レベルの高いプレミアリーグでは決定機は決して多くはないだろうけど、ここは踏ん張りどころ。いかにしてチャンスをものにするかにフォーカスしてほしい。

 そこで重要になってくるのは、もっとエゴイストになる必要があるということ。リバ
プールでの試合を見ていて、日本人の優しさや気遣いがプレーに出ていると感じた部分もあったしね。FW岡崎慎司(34=ウエスカ)は、プレミアのレスターにいたとき「プレミアのストライカーは自分だけが点を取ればいいみたいな選手ばかり」と言っていたし、日本人の良さを捨てて、とにかく自分がチームを勝たせる気持ちを持つことが大事になる。海外は自己主張してナンボの世界だし、南野にも外から試合を見ていても我の強さが分かる振る舞いがあってもいい。日本人で言ったら、現役時代の中田(英寿)や、本田(圭佑)みたいなイメージかな。この半年でエゴイスト化に磨きをかけてリバプールに帰還できるか注目したい。