昨年にスペイン2部サラゴサとの契約を解除しフリーとなっていた元日本代表MF香川真司(31)の新天地が、ギリシャ1部PAOKに決まった。早くも現地では〝カガワフィーバー〟が起こるなど期待の大きさをうかがわせるが、かつて日本の10番を背負った男は復活できるのか。元日本代表MFで本紙評論家の前園真聖氏(47)が、今後を占った。

【前園真聖 Zoom up】ようやく香川の新天地が決まりました。希望のスペインリーグではありませんでしたが、欧州のクラブにこだわっていた中で、プレーできる環境が整ったのは本当によかったと思います。

 スペイン2部サラゴサとの契約を解除してから約4か月たちますが、トレーニングはしっかり積んできているようですし、試合勘などを戻すのにもやりながら対応できる範囲でしょう。最初は途中交代から出て、コンディションが上がってくれば、先発でも十分にやっていけます。やはり攻撃的な選手のためゴールに絡むプレーというのが求められるので、目に見える結果に期待したいですね。

 所属先も決まったことで、代表に復帰できるのかも気になるところではないでしょうか。そのためには数試合やそこらではなく、ギリシャでシーズンを通して活躍する必要があります。それこそ欧州CL(チャンピオンズリーグ)に出られる可能性のある順位にチームを導き、自身がそういう舞台で輝いて初めて代表復帰の話になってくると思いますので、今はまだ気が早い状況です。

 もちろんPAOKで復権を確実なものにすれば、必ずや代表に必要な選手となるのは言うまでもありません。それはピッチ上のパフォーマンスはもちろんのこと、代表にMF久保建英(19=ヘタフェ)ら若い選手が出てきているとはいえ、チームには経験値のある選手が必要だからです。そのときは、欧州で再びステップアップしてくれる可能性は高いですし、おそらく香川もここで終わりとは考えていないでしょう。

 ちなみに2000年に湘南でJリーグに復帰する前に、PAOKのテストを受けたことがあります。結果は出ませんでしたが、ものすごくサポーターが熱狂的でしたね。ギリシャでも有数の熱さは今も変わりません。まずは自身のプレーで地元サポーターに存在感を示してほしいですね。もともと期待も高いですし、そうすれば、あっという間に愛される存在になるのは間違いありません。

(元日本代表MF)