ギリシャ1部PAOKに入団した元日本代表MF香川真司(31)が、クラブに大きな“経済効果”をもたらしそうだ。

 ドイツ1部ドルトムントやイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドといったビッグクラブで活躍した香川の加入で、現地では早くも“カガワフィーバー”が起こるほど。そんな中、大手広告代理店関係者は「PAOKは自前で試合を配信して収入を得ている。日本を中心に多くのファンがいる香川の加入で契約者の大幅増が見込めるし、クラブにとってはかなり大きいのではないか」と指摘する。

 リーグが一括管理していた放映権は、財政難などでリーグ運営が破綻した後、現在は各クラブによる個別管理になっている。放送局と契約を交わすのが主な手法だが、PAOKは「PAOK TV」を立ち上げて自ら配信中。1試合ごとの購入契約となるペイパービュー(PPV)と1シーズン79・99ユーロ(約1万円)の定額契約が選べる仕組みだ。

 スター選手の加入は契約者の増加が期待でき、言うまでもなく香川はSNSのフォロ
ワーが160万人近くいる超人気選手。もちろん全員が加入するわけではないが、熱心なファンは久しぶりに試合でプレーする姿を渇望しており、多くの新規契約者獲得は間違いない。また注目度の高さから映像の権利を日本などの放送局に販売する可能性もある。

 また前出の関係者は「1年半の契約なら、日本企業などのスポンサーもかなり出てくるのでは」と予想。ある程度の期間の在籍が見込めれば広告効果も計算でき、スポンサー契約のオファーが殺到してもおかしくはない。こうした効果も含めてクラブには十数億円規模の収入が期待できるわけだ。

 その香川の背番号はドルトムントやサラゴサでもつけていた「23」に決定。早ければ31日のパネトリコス戦でのデビューも浮上しているが、ピッチ内でスターらしい活躍ができるか。日本の元エースの再出発に注目が集まる。