26日(日本時間27日)に行われたイタリア杯準々決勝、ACミランとインテルの戦いとなった〝ミラノダービー〟は大荒れの展開となった。

 今季のリーグ戦で首位に立つACミランに対し、インテルはこれを勝ち点2差で追う2位。カップ戦の舞台で実現した頂上決戦は、ミランがまず試合を動かした。

 前半20分にDFシモン・ケアー(31)が負傷でピッチを去るアクシデントがあったが、32分にFWズラタン・イブラヒモビッチ(39)が巧みなボールコントロールから右足を振り抜いて先制ゴール。守備陣もゴール前で激しいチェックを見せて相手に得点を許さず、1点リードで折り返した。

 だが後半13分、イブラヒモビッチがハーフライン上でドリブルしていたDFアレクアンダル・コラロフ(35)を背後から倒してしまい、この日2度目の警告を受けてレッドカード退場。これで数的有利になったインテルが逆襲を開始した。

 24分にMFニコロ・バレッラ(23)がペナルティーエリア右でミランFWラファエル・レオン(21)に倒されると、最初は主審もプレーを流したが、直後にビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の検証が行われると、レオンのファウルでPKの判定に変更。これをFWロメル・ルカク(27)が決めて試合を振り出しに戻した。

 ここから猛攻を仕掛けたインテルは立て続けにシュートを放って相手ゴールを脅かすと、延長戦突入と思われたアディショナルタイム7分、ゴール正面で得たFKのチャンスにMFクリスティアン・エリクセン(28)が4枚の壁を越える鮮やかな右足シュートで決勝ゴール。因縁のライバルを沈めた。

 ちなみに、この試合の後半に提示されたアディショナルタイムはなんと10分。これは29分過ぎに主審が左太ももを肉離れし、治療と交代審判の準備に時間がかかったため。インテルはこんなアクシデントも味方にした形だ。