日本代表MF久保建英(19)への最後通告だったのか。所属するスペイン1部ビリャレアルは29日(日本時間30日)、年内最終戦となったアウェーのセビリア戦に0―2で敗れた。久保はベンチ入りも3試合連続の出番なしに終わったが、同戦で見せたウナイ・エメリ監督(49)の選手交代が〝意味深〟だ。

 来季の欧州チャンピオンズリーグ出場権を争うセビリアを相手に0―1で迎えた後半開始に、指揮官はMFジェレミー・ピノ(18)を投入。急成長を見せるピノの台頭によって久保の出番は激減したが、試合の流れを変える存在として最初の交代で起用されたことは、2人の間に大きな差があることを意味していると言えるだろう。さらに追加点を許した後の18分からMFサムエル・チュクウェゼ(21)が出場。リーグ前半戦で久保と右サイドのポジションを争った選手だ。

 これまでならば久保に出番が回っていたかもしれない場面だが、公認資格を持つ選手代理人は「監督とすれば単純に勝つための起用で深い意味はないと思うけど、それが現実ってことだろう」と指摘。久保本人が監督の戦略をどう感じたかは不明ながら、勝たなければならない大一番で声がかからないことは「選手にとっては屈辱に感じられるもの」(同)という。

 また、エメリ監督は38分にFWカルロス・バッカ(34)をピッチに送り出した。コロンビア出身のストライカーを起用したことも、最終的にEU圏外枠の制限が問題になった際、どちらが生き残るかを明確に示したとも言えそうだ。いずれにしても、ビリャレアルに居場所がないことが浮き彫りなったのは間違いなく、久保の去就問題は大詰めを迎えそうだ。