イタリア1部(セリエA)でとんでもない記録が生まれた。

 20日に行われた第13節でACミランのFWラファエル・レオン(21)がホームのサッスオロ戦で、キックオフからわずか6秒(伊紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」は6・76秒と報道)でゴールを決めた。

 これは2001年12月にピアチェンツァのFWパオロ・ポッジがフィオレンティナ戦で決めた7・2秒弾を更新するリーグ最速ゴール記録となった。

 サッスオロの選手たちはおろか、主審すら準備できていなかった隙をついた。キックオフのボールを受けたトルコ代表MFハカン・チャルハノール(26)がドリブルで猛然と突進。相手が寄せてくる前に前線にスルーパスを出すと、左から侵入してきたレオンが右足での柔らかいトラップからドリブルを一つ挟み、右足でGKの左を抜いてゴールネットを揺らした。

 俊英の電光石火弾は偶然の産物でもあった。首位を走るミランは大黒柱のFWズラタン・イブラヒモビッチ(39)が復帰目前で別の故障に見舞われてまたも戦線離脱。クロアチア代表FWアンテ・レビッチ(27)も故障したことで、レオンに出番が回ってきた。2016年にはポルトガル代表としてU―17欧州選手権の優勝に貢献し、昨季まではリール(フランス)でプレー。リーグ戦で4試合連続ゴールを決めた抜群の決定力を買われ、今季からミランに加入した。

 試合はレオンのゴールの後もミランが攻勢。前半9分のチャルハノールのゴールこそ取り消されたが、26分に追加点を奪うとそこからは守備陣が奮闘。後半44分の1失点だけで踏ん張り、首位を守った。

 殊勲のレオンは「準備はできていたかって? もちろんだよ。僕たちは常に前を向いているからね。今日はチームに満足しているし、いい仕事ができたよ」と喜んだ。