イングランド・プレミアリーグのリバプールに所属する日本代表MF南野拓実(25)が待望のリーグ戦初ゴールで〝追い風〟が吹いてきた。19日のクリスタルパレス戦に先発出場した南野は先制ゴールを決め、7―0の大勝に貢献した。

 加入からなかなか結果が出ず、1年が経過してついに生まれた〝第1号〟。ユルゲン・クロップ監督(53)は「とにかくタキ(南野)を使いたいんだ。彼はトレーニングで本当に鋭く、素晴らしい状態にある。そして今日、すてきなフィニッシュを決めた」とまるで自分のことのように大喜び。「彼は我々を大いに助けてくれる」と今後の起用が増えることを示唆した。

 これまでは攻撃陣の層の厚さから出場機会をつかめず、最近は来年1月の移籍市場での放出も取りざたされるなど窮地に追い込まれていたが、チーム内の激しい競争の中でアピールのきっかけをつかんだ格好だ。

 さらにチーム事情も南野の重用を後押ししそうだ。スペイン紙「アス」が、エースFWモハメド・サラー(28)が同国1部レアル・マドリードかバルセロナに移籍する可能性を報道。同紙のインタビューで両クラブの動きについて問われたサラーは「今はリバプールでプレミアリーグと(欧州)チャンピオンズリーグで優勝することに集中している」としつつも「Rマドリードとバルセロナはトップクラブだ。将来何が起きるかは分からない」と世界最高の人気クラブへの移籍に〝色気〟を見せた。

 もしサラーが退団すれば、赤丸急上昇中の南野が代役候補となるだけに一気にレギュラー奪取も視野に入る。我慢を重ねてきた南野に、名門でのし上がる大逆転のシナリオが見えてきた。