【デンマーク・ヘアニング発】サッカーの欧州チャンピオンズリーグ(CL)1次リーグ最終節(9日=日本時間10日)9試合が各地で行われ、D組で日本代表MF南野拓実(25)のリバプール(イングランド)はアウェーでミッティラント(デンマーク)に1―1で引き分けた。フル出場した南野は終了間際にゴールネットを揺らしたものの、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の判定で取り消され“幻の決勝ゴール”となった。

 すでに決勝トーナメント進出を決めているリバプールにとっては実質的な消化試合ながら3試合ぶりに先発した南野は、前半から積極的な姿勢で何度かチャンスを演出するなど、好パフォーマンスを披露。チームも開始1分にエジプト代表FWモハメド・サラー(28)のゴールで先制したこともあって、優位に試合を進めた。

 後半17分に同点とされ、1―1で迎えた後半43分、南野にビッグチャンスが到来する。右サイドからのクロスにセネガル代表FWサディオ・マネ(28)が頭で落としたボールを南野が収めて右足でシュート。ゴールネットを揺らし、劇的な決勝弾となるはずだったが、VARでゴール直前にマネのハンドがあったと判定され、得点は取り消されてしまった。

 試合はこのままドローとなったが、地元紙「リバプール・エコー」は「クロップ監督がVARにフラストレーション」とし「不可解なジャッジだ。繰り返しの協議にどれだけの時間がかかったのか。ハンドがあったとすれば、ミッティラントの選手のように見える」と報じ、微妙な判定で幻のゴールになってしまった南野に同情した。

 ユルゲン・クロップ監督は南野について「あのポジション(中盤)でプレーしたのは2回目だったことを忘れないでほしい。1回目はブライトン戦で、今夜はずっと良く見えた。前半のプレーは本当に好きです」と評価し、これまで起用してきたFWではなく、今後も中盤で起用する可能性を示唆した。

 来年1月の放出がささやかれるなど、苦境に立たされていた南野だが、さらなる躍進が期待できそうだ。