欧州チャンピオンズリーグ(CL)1次リーグ第5節8試合が2日(日本時間3日)に行われ、昨季準優勝のH組パリ・サンジェルマン(フランス)は敵地でマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)に3―1の勝利を収めた。エースFWネイマール(28)が貫禄の2得点で本領発揮。〝因縁マッチ〟を制し、決勝トーナメント進出に向けて大きく前進した。

 オールドトラフォードで最後に笑ったのはパリSGの背番号10だった。直近の国内リーグ戦で引き分けに終わり、危機感をあらわにしていたネイマールはキックオフ直後から気迫のこもったプレーを展開。相手のワントップには昨季までの同僚で、不仲が取り沙汰されたFWエディンソン・カバーニ(33)がいただけに、勝利への執念を見せた。

 その姿に触発されたチームは前半6分に試合を動かした。右サイドでボールを受けたフランス代表FWキリアン・エムバペ(21)のミドルシューが相手DFに当たって右に流れると、これに反応したネイマールが角度のない位置からシュート。ボールはGKダビド・デヘア(30)の脇を抜けてゴールネットに突き刺さった。

 同32分にマンUのFWマーカス・ラッシュフォード(23)のシュートがMFダニーロ(29)の足に当たってコースが変わり同点となる不運があったが、欧州制覇の野望を抱くチームの集中力は落ちなかった。

 後半に入ってもネイマールを中心に攻撃を組み立て、24分にはCKの流れから主将のDFマルキーニョス(26)の得点で再び勝ち越しに成功。その1分後にマンUのMFダニーロ(27)が2度目の警告で退場となって数的有利となると、アディショナルタイムにネイマールが速攻からの折り返しを冷静に流し込んでダメ押し。開幕戦で1―2で敗れたマンUに、倍返しならぬ〝1・5倍返し〟でリベンジを果たした。

 これでH組はライプチヒ(ドイツ)も含め、3チームが3勝2敗の勝ち点9で並ぶ大混戦。最終節(8日=同9日)はマンUとライプチヒの直接対決で、最下位のバシャクシェヒル(トルコ)と対戦するパリSGは引き分け以上で決勝T進出という有利な立場に変わった。因縁マッチを制したフランス王者はようやく目を覚ました。