サッカーの欧州選手権出場をかけ、12日(日本時間13日)に行われたプレーオフ決勝で、北マケドニアがジョージアに1―0で勝ち、同国史上初めて主要国際トーナメントへの出場を決めた。

 試合は前半こそスコアレスだったが、得点が欲しい北マケドニアは後半11分、小気味いいパス交換から最後は同国代表最多得点記録を持つ37歳のMFゴラン・パンデフ主将(ジェノア)がゴール。これが決勝点となり、1996年に初めて同選手権予選に出場してから7回目の挑戦で初の偉業を達成した。

 北マケドニア(以前の呼称はマケドニア)は1991年に独立し、サッカーにおいては93年にユーゴスラビアから分離独立したことで代表チームを編成。しばらくは「マケドニア代表」として戦ってきたが、古くからマケドニア地域の一国として発展してきたギリシャが「マケドニア」の呼称を認めなかったため、国際政治的に多くの問題を抱えてきた。

 そんな中、2018年6月にマケドニアは国名を「北マケドニア共和国」に改称することでギリシャと合意。これにより、マケドニアを「マケドニア旧ユーゴスラビア共和国」と表記していた日本でも20年4月に「北マケドニア」と変更された。

 面積は約2万5000キロ平方メートルで、九州の3分の2ほどの小国だが、サッカー熱は高い。前出のパンデフが同国の象徴的存在。MFダビド・バブンスキー(26)がJ1横浜Mで活躍し、現在はJ2大宮でプレーしており、サッカー的に日本とも無縁ではない。

 悲願を達成した北マケドニアは、来年に延期された欧州選手権本大会ではオランダ、ウクライナ、オーストリアと同組。次は本大会での初勝利を目指す。