〝メッシの後継者〟の大ケガが、スペイン1部ビリャレアルのMF久保建英(19)の起用法にも影響が出てきそうだ。

 5日の欧州リーグ(EL)マカビ・テルアビブ(イスラエル)戦で活躍した久保は、中2日のヘタフェ戦で後半41分から途中出場。プレー時間が短く、見せ場はなかった。チーム内ではまだ控え扱いだが、保有元のスペイン1部レアル・マドリードがウナイ・エメリ監督(49)の起用法に不満を持ち、今冬の移籍市場でレンタル先の変更も検討と現地メディアがこぞって報道。久保の起用論争が過熱している。

 そうした中で、久保と同じく大きな期待を寄せられる若手有望株の負傷が注目を集める。久保の古巣の名門バルセロナで今季大ブレークし、エースのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(33)の後継者の呼び声高いスペイン代表FWアンス・ファティ(18)が7日のベティス戦で左膝半月板損傷の重傷を負った。手術する可能性があり、3~5か月の長期離脱になる見込みだ。

 今、最も注目される若手のショッキングなケガは久保にも無関係ではない。「ファティの負傷はスペインサッカー界でも大きな衝撃。もちろんバルサが悪いわけではないが、若手の使い方の難しさを改めて示したし、エメリ監督が慎重に久保を扱っているのも、より理解を得られるのではないか」と欧州事情に詳しい代理人は指摘する。

 開幕当初は久保の出場時間の少なさにエメリ監督へ批判が集中したが、慎重に出場時間を増やしながらチームに順応させる手腕を評価する声も高まっている。過密日程にもかかわらず先発起用が続く中で負傷したファティの一件で、若手の酷使による危険性がクローズアップされただけに、今後も〝エメリ流〟の慎重起用が継続されそうだ。