MF久保建英「1得点2アシスト」 衝撃のELデビューで守られた日本代表・森保監督の〝面目〟

2020年10月24日 06時15分

ビリャレアル・久保(左)がシワススポル戦で大活躍(ロイター)

 サッカーの欧州リーグ(EL)1次リーグが22日(日本時間23日)に開幕し、ビリャレアル(スペイン)の日本代表MF久保建英(19)がシワススポル(トルコ)戦で1得点2アシストの活躍を見せ、欧州全土に大きな衝撃を与えた。移籍後初ゴールで実力を証明。ウナイ・エメリ監督(48)の評価を一気に変えるだけのプレーぶりだったが、一方で〝もう一人の指揮官〟の立場も守った形となった。


 移籍後、公式戦初先発でフル出場して記録にも記憶にも残る結果を出した久保に対し、欧州のメディアはすぐに反応した。スペイン紙「アス」は「すさまじい活躍」との見出しで記事を掲載し、途中出場で2得点したFWパコ・アルカセル(27)とともに最高評価の「星3つ」をつけた。英国のサッカー専門サイト「Squawka」は「この少年はゲームの頂点を目指す運命にある。これはその始まりに過ぎない」と仰々しい表現で、世界的選手になることも予測している。

 ターンオーバー(選手の入れ替え)で先発の座が巡ってきたとはいえ、長いプレー時間を与えられれば結果を出せることを証明。25日のカディス戦でビリャレアルでのリーグ戦初ゴールも期待できる状況になってきた。

 最近の久保を取り巻く環境は決して穏やかではなかった。久保の起用に慎重になっているエメリ監督は国内で批判され、その都度、起用の意図などを丁寧に説明してきた。

 その批判は日本代表の森保一監督(52)にも飛び火。ビリャレアル同様に久保をなかなか先発出場させないことで、13日まで行われた日本代表のオランダ遠征でもファンの不満は募るばかりだった。

 9日のカメルーン戦はベンチスタートで後半20分から出場。先発した13日のコートジボワール戦も一人目の交代選手となり、後半16分にベンチに退いた。「こんな短い時間しか使わないなら、代表に呼ばずにクラブに専念させたほうがよかったのでは」という意見も見られた。

 鳴り物入りで今季からビリャレアルに移籍したとはいえ、戦術理解や選手間の連係など、どんな選手でも移籍1年目の序盤は難しい。代表招集よりもチームで調整するほうがプラスに働くという考え方は、決して間違ってはいない。当然、森保監督もこうした意見があるのは知っている。

 久保がビリャレアルで活躍できなければ〝日本代表のせい〟と言われかねない状況。そんな中で見せたシワススポル戦での大爆発で流れは大きく変わった。久保は代表活動に参加しながら結果を出すことで実力を証明し、森保監督の〝アンチ〟も黙らせた。

「ここから先が楽しみ」と無限に広がる可能性に思いをはせた日本の至宝。まだまだ世界のサッカーファンを喜ばせ、驚かせてくれるシーンは多そうだ。