フランス1部パリ・サンジェルマンのブラジル代表FWネイマール(28)が、日本代表DF酒井宏樹(30)に対し「クソ中国人」と人種差別的発言をした動画が30日、スペインメディアによって公開された。間接的に侮辱された形の中国でも、動かぬ証拠と拡散され、ネイマールは総スカン状態。経済的ダメージは計り知れない。

 舞台は自身を含めて5人の退場者を出して大荒れとなった13日のマルセイユ戦。これまでも中国で怒りを買ってはいたが、伝聞だったため、ファンの中には間違いではないか、というかすかな希望もあった。しかし今回は動画。中国の各メディアが字幕付きで「動かぬ証拠だ!」と取り上げると「こんな人がサッカー界のスターなんて信じられない」「華人(中国系の人)も侮辱した」と非難一色だ。

 欧州サッカーが国民的人気スポーツである中国は、ネイマールにとって経済的にも大事な市場。大手中国企業が個人スポンサーに付いたこともあるだけに、この酒井に対するひと言は非常に重い。すでに「もう一切見ない」「中国市場から排斥だ」「(中国企業の)スポンサーは声を上げよ」という声も上がっている。

 30日にもフランスプロリーグ機構(LFP)規律委員会でネイマールに対する処分が下される見込みだが、日本のみならず中華圏の信頼を失った代償は大きそうだ。