久保建英 恩師・福井哲氏が挙げるスペイン2年目〝成功への3つのポイント〟

2020年09月15日 06時15分

日本代表でもFKを任された久保(手前)顔写真は福井哲氏

 勝負のシーズンを左右する〝3つのカギ〟とは――。サッカー日本代表MF久保建英(19)がスペイン2年目となる今季を、新天地となる1部ビリャレアルで迎えた。開幕戦(13日)のウエスカ戦では後半32分からの途中出場で大きなアピールはできなかったが、今季は今後の飛躍を目指す上で重要なシーズン。〝日本の至宝〟はどんなプレーを見せるべきか。FC東京時代に育成部門の責任者として関わった恩師の福井哲氏(65=城西国際大サッカー部監督)が成功のポイントを挙げた。

 スペイン1部で最初のシーズンとなった昨季は、期限付き移籍したマジョルカで4ゴールをマーク。今季はさらなる飛躍を目指し、欧州リーグ(EL)に出場する強豪ビリャレアルへ再びレンタルで加入した。自身初となる欧州の舞台を経験し、活躍次第では所属元の名門レアル・マドリードへの復帰も見えてくるだけに、今季は今後のサッカー人生を左右する1年になる。

「彼の可能性が試される1年になる。Rマドリードも期待していると思う」と恩師の福井氏も強調するが、活躍の成否を分けるポイントとしてまず挙げるのがポジションだ。「以前からトップ下が一番好きだと言っているし、最も適所。彼の才能が生かされる。視野が広いのでイマジネーションを発揮できる。本来のポジションに入って、その中でどういうプレー、(試合全体の)絵を見せてくれるのか」

 久保は司令塔であるトップ下が本職だが、マジョルカではサイドのFWとして主に起用された。ビリャレアルではトップ下を置く戦術を好むウナイ・エメリ監督(48)のもと、開幕戦でさっそく得意のポジションでプレー。本職で能力全開となるか期待が高まる。

 その指揮官も重要なカギを握るという。福井氏は「監督との相性は大事になってくる。求められるチーム戦術と彼のプレースタイルが合うように監督がうまく使うかどうか。監督はいろんな戦術を選手に要求するものだから」。

 エメリ監督は特に戦術家として有名で、多くの決まりごとを選手に求める。そうした中で意見の衝突や、指揮官の考えと久保のプレーがかみ合わない可能性もある。ただ、福井氏は「建英は良い意味でずうずうしさを持っているので、そこはうまく折り合いをつけながらできるのでは。言葉ができるのも大きい」と指摘。堪能なスペイン語や明るい性格でコミュニケーション能力は高いだけに、名将との信頼関係もうまく構築できそうだ。

 3つ目のポイントはセットプレーのキッカーの座を奪えるかだ。「セットプレーで彼は本当に良いキックを持っている。相手にとって嫌なボールも蹴れる。そこは意識していると思うし、人を押しのけてでも蹴るような選手にならないと。自分からアクションを起こすようじゃないと難しいが、彼は積極的に起こせるメンタルを持っている」

 左足から繰り出されるFKやCKは久保の大きな武器。開幕戦でも後半アディショナルタイムにFKを蹴ったが、強豪クラブに来たことで能力とともにプライドも高い選手が増える。そうした中で、臆せず自分の意思を主張することが必要になるのだ。

 その上で、福井氏は「トップ下だったら得点を求められる。10ゴールくらいいってくれたら」と期待を込めて〝厳命〟する。課題をクリアしてスペインで大ブレークのシーズンとなるか注目だ。