メッシVSバルセロナ「約886億円退団騒動」の行方と「適正価格」

2020年09月02日 06時15分

メッシ騒動の行方は…(ロイター)

 サッカー界を揺るがす〝メッシ騒動〟の行く末とは――。スペイン1部バルセロナからの退団を表明したアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(33)は移籍金が発生しない契約解除を求める一方で、クラブ側は移籍金7億ユーロ(約886億円)が必要として対立を深めており、法廷闘争に発展する可能性も出ている。打開策はあるのか。キング・カズこと元日本代表FW三浦知良(53=横浜FC)の代理人も務めた田路雅朗氏(65)が現状を徹底分析した。


 バルセロナに退団を通告したメッシは、新シーズンの練習初日(8月31日)に顔を出さなかった。メッシ側は6月10日までなら契約を解除できる条項があり、期限は過ぎたものの新型コロナウイルスの影響で日程が変更されたことを理由に、権利を行使できると主張。片やバルセロナは移籍する場合は契約書に明記される7億ユーロが必須としており、意見が食い違っている。

 問題を解決するため、2日にも会談が行われる見込みだが、かつてFW安永聡太郎のスペイン移籍をサポートするなど欧州事情に詳しい田路氏は「契約書に6月10日と書いてあるのならば、それ以上でもそれ以下でもない。新型コロナウイルスは契約書の内容に影響しない。つまり7億ユーロの移籍金が発生するのは明らか」という。

 本紙も報じてきたように移籍金を巡ってはスペインリーグ側もバルセロナの主張を支持しており、メッシ側が法廷闘争に突入する可能性も出ている。同氏は「仮にメッシがFIFA(国際サッカー連盟)に話を持っていっても同じこと。契約書の内容とコロナ問題は別物でリンクしない。FIFAに提訴しても、門前払いだろう。このままでは7億ユーロを支払うクラブが現れないとメッシは身動きできない」と指摘した。

 ただ、田路氏には現実的な問題解決のシナリオがあるという。「バルセロナが無理やりメッシを残留させても本人にやる気がなければ戦力にならない。だからといって大スターをフリーで出すことはビジネスの世界ではあり得ない。となれば、放出を認めた上で移籍金を減額するというのが一般的なやり方だろうし、かなりの確率でそうなると思う」

 実際、移籍金として900億円近い金額は現実的ではなく、支払えるクラブはない。そこで減額プランが浮上するわけだが、メッシの〝適正価格〟はいくらなのか。田路氏は「ネイマールのときは(移籍金)2億2200万ユーロ(約280億円)。あくまでクラブ間交渉次第だけど、3億ユーロ(約380億円)の攻防になるのではないか。どのみち、減額しないとバルセロナには1円も入らない。それでも33歳という年齢を考えれば、破格の金額だけど」。

 メッシの移籍先についてイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティー、フランス1部パリ・サンジェルマン、イタリア1部インテルなどが浮上している。欧州の移籍期限は基本的に10月5日までだが、果たしてサッカー界のスターを巡る大騒動は決着するのか。