ベテラン長友が名門マルセイユに〝ステップアップ〟できた意外な理由

2020年08月31日 05時15分

〝ステップアップ〟する長友

 日本代表DF長友佑都(33)が驚きのキャリアアップに成功だ。フリーで移籍先を探していた長友は、フランス1部マルセイユへの入団が確実となった。昨シーズン途中にトルコ1部の強豪ガラタサライで戦力外になり、契約満了で退団した今夏は新天地探しで苦戦が予想されたが、フランス屈指の名門クラブに〝転職〟できた。その裏事情とは――。

 長友を巡ってはフランス紙「レキップ」など複数のメディアがマルセイユ入りの動きを報道。同紙は「数日中に書類にサインし、マルセイユに上陸する可能性がある」と合意間近を強調したが、メディカルチェックを経て正式決定する見込みとなった。

 マルセイユは9度のリーグ制覇を誇る名門で昨季は2位に躍進。今季の欧州チャンピオンズリーグ(CL)出場権も得ている強豪だ。同じ日本代表で右サイドバックのDF酒井宏樹(30)が所属していることで日本のファンにもなじみがある。

 ただ、長友の盟友でもある元日本代表MF本田圭佑(34=ボタフォゴ)や同MF香川真司(31=サラゴサ)は昨夏にフリーとなった際、新しいクラブ探しに大苦戦した。同じベテランの長友はガラタサライで戦力外扱いだったにもかかわらず、なぜCLに出場する強豪クラブにステップアップできるのか。

 Jクラブ強化担当者は「うまくはまったんじゃないか。マルセイユからすれば移籍金もかからないし、30代も半ばになって3、4番手でも文句を言わないだろうし、年俸もそんなに高くない。それにCLにも出るから、そういう大舞台でも動じないベテラン選手も必要だった。それにサイドバックだからっていうのもあるんじゃないか」と指摘する。

 マルセイユでは主に左サイドバックを務めるDFジョルダン・アマビ(26)が新型コロナウイルスに感染。さらに獲得を目指していたブラジル人DFカイオ・エンリケ(モナコ)を逃し、サイドバック探しが難航した。さらにアンドレ・ビラスボアス監督(42)が「フリーまたはローンで自動購入オプションなし」の〝格安条件〟を求めているだけに、アマビのサポート役もいとわず年俸面でも割安な長友に白羽の矢が立ったとみられる。チームにはビッグネームが少ないため、長友の経験もプラスになる。

 加えて「長友には発信力があるから。注目する企業もあるかも」と担当者。マルセイユはトヨタの現地法人とスポンサー契約を結んでいるが、今後さらなる日本企業からの投資も見込めることも獲得を後押ししたようだ。不屈の男がフランスの強豪でもうひと花咲かせるか。