【武田修宏の直言!!】J1札幌でエースを務めたFW鈴木武蔵(26)のベルギー1部ベールスホット移籍が決まったね。昨年のJリーグ・ルヴァンカップ決勝の前から取材をさせてもらうようになり、その後も何度か話をするようになったけど、彼がいつも口にしていた「海外でプレーしたい」という夢がようやくかなったことで、まずはよかったと思うよ。

 鈴木にいつも言っていたのは「FWは結果がすべて」ということ。その声に応えてくれたのか、昨季終盤から今季開幕後も得点という形で結果を残した。ただ、ここからは「助っ人」となるわけで、結果を残すために必要なことも増えてくる。

 いくらドリブルがうまいと評価されて移籍したとしても、欧州にはそんな選手は山ほどいる。そこで差をつけるには、向こうの選手にはない特長を出していかないといけない。MF香川真司(31=サラゴサ)やMF原口元気(29=ハノーバー)は相手のラインの間に入ってボールをもらう技術を磨いたことで、チームで起用されるようになった。FW岡崎慎司(34=ウエスカ)は相手の最終ラインの裏に抜け出すプレーに徹したことで得点も増えた。

 この3人に共通するのは、相手との駆け引きのうまさ。鈴木にもこうした変化が求められる時が来る。それに柔軟に対応できるかが活躍のカギだろうね。

 新天地は今季から1部に昇格したばかりだけど、イングランド・プレミアリーグ、シェフィールド・ユナイテッドのオーナーでもあるサウジアラビア王族が資本注入しているクラブ。だから、ここで結果を出せばイングランド移籍も見えてくる。簡単な道のりではないけど、その夢に向かって突き進んでほしいよ。(元日本代表FW)