力の違いを見せつけた。フランス代表FWキリアン・エムバペ(21)が先発に復帰し、ブラジル代表FWネイマール(28)、アルゼンチン代表FWアンヘル・ディマリア(32)の強力3トップが開始から躍動。まずは前半6分、ネイマールが右ポスト直撃のシュートで相手ゴールを脅かすと、同13分にはディマリアのFKをブラジル代表DFマルキーニョス(26)が頭で合わせて先制。同42分には相手GKのパスミスを見逃さず、浮き球の縦パスをネイマールがヒールで落とし、走り込んだディマリアが決めてリードを広げた。

 後半に入っても試合はPSGペース。13分にディマリアの左クロスをMFフアン・ベルナト(27)が合わせて、試合を決める3点目を奪った。Wエースと呼ばれるネイマール、エムバペに得点こそ生まれなかったが、相手のマークを引きつけることで周囲がフリーの状況をつくってチャンスを演出。脇を固める役者たちのレベルの高さを示した。

 所属のフランスリーグは、イングランド、スペイン、ドイツ、イタリアと合わせた「5大リーグ」の中で唯一、新型コロナウイルスの影響でリーグ戦が打ち切り。試合勘の欠如が不安視されていたが、それも打ち破った。今季は国内リーグ、2つのカップ戦を制しており、これで「4冠」に王手。カタール資本が入り大型補強を繰り返しながら8強の壁すらなかなか崩せなかった名門が優勝をはっきりと視界にとらえた。