Rマドリー帰還の道は…久保健がビリャレアル移籍で挑む〝2つの壁〟

2020年08月12日 05時15分

ビリャレアル入りした久保建英

〝日本サッカー界の至宝〟に待ち受ける2つの試練とは――。日本代表MF久保建英(19)がスペイン1部レアル・マドリードから同1部ビリャレアルに1年間の期限付きで移籍し、大きな注目を集めている。11日の入団会見では率直な胸中を語ったが、昨季リーグ5位で来季の欧州リーグ(EL)に出場するビリャレアルからも新戦力として大きな期待を寄せられる。国内外の注目度は高まる一方で、新天地では強豪クラブゆえの大きな壁が立ちはだかりそうだ。

 会見した久保は30以上ものクラブからオファーが舞い込む中でビリャレアルを選んだ理由について「ベストの選択肢。僕も家族も代理人も全員がそう考えた。これからこれがベストの選択であったことを証明する」と言い切った。

 その上で「できるだけ上の順位でフィニッシュしてELでもしっかり結果を残せたら」と話し、欧州強豪クラブが集う舞台・ELへの初挑戦にもやる気満々。さらに鮮やかな黄色のチームカラーには「自分の色に染めていけたらいい」。強気な発言を連発して新天地での活躍に自信をみなぎらせた。

 昨季プレーしたマジョルカでは10代ながら初のスペイン1部で公式戦4ゴール5アシストをマーク。新シーズンはさらなる飛躍が期待されるが、そこに待ち受けるのが2つの〝難題〟だ。

 海外でプレー経験のある日本代表OBはこう見ている。「マジョルカと比べて強いチームだから注目度も高くなる。久保は〝助っ人〟として行くんだから、それなりの活躍を見せないとダメ。サポーターもメディアも容赦ないし、批判の対象になりかねない。そうしたプレッシャーも久保は乗り越えないといけない」

 スペインメディアは特に選手のプレーに対する目が厳しく、辛らつな報道も多い。しかも助っ人外国人として参戦しているだけに、チームが負ければ戦犯扱いされて猛バッシングを受けるのは必至だ。地元メディアでは年俸とレンタル料を合わせて500万ユーロ(約6億2500万円)と報じられており、ビリャレアルは破格の厚待遇で久保を迎え入れた。それだけに、期待に見合う活躍が求められる。だからこそ同ОBは「10ゴールは欲しい」とノルマを課す。

 加えてこんな指摘も。「ビリャレアルはELにも出るし、2チーム分の戦力を集めている。当然ながら良い選手がいっぱいいるわけだから(保有元の)Rマドリードから来たといっても、そう簡単に試合に出られるとは限らない。南米の選手もいるだろうから、その中でレベルの高さ、存在感をみせないといけない」

 スペインのほか、南米やアフリカの実力派が集まるビリャレアルは、ウナイ・エメリ監督(48)のもとで迎える新体制に備えて大型補強を敢行。久保に加え、スペイン代表MFダニ・パレホ(31)やフランス人MFフランシス・コクラン(29)の獲得にも動いている。欧州強豪チームならではの激烈なサバイバルを勝ち抜かなければならないのだ。

 それでも久保はひるむことはない。メディアからの注目度の高さについては「かなり前から慣れているし、うまく付き合えている」ときっぱり。ポジション争いにも「かなりビッグクラブでのプレーだと思うけど、能力の高い選手と競いながらたくさんのものが得られる」と強気の姿勢を崩さない。〝2つの壁〟を乗り越えたとき、世界ナンバーワンのビッククラブ、Rマドリード帰還への扉が開かれるはずだ。