MF久保建英「約30クラブがシ烈な争奪戦」に発展した本当の理由

2020年07月30日 06時15分

MF久保建英の去就が注目されている(ロイター)

 日本代表MF久保建英(19)を巡る大争奪戦の背景とは――。久保はスペイン1部レアル・マドリードから期限付き移籍でプレーした同マジョルカからの退団が既定路線。来季も引き続き、他クラブでプレーする方針だ。新天地候補として約30クラブ前後が獲得に名乗りを上げるなど、シ烈な争奪戦に発展中。ここまで乱立しているのは久保の実力に加えて〝ピッチ外〟の大きな影響力も関係しているようだ。

 今季の久保は序盤戦こそもたついたものの、新型コロナウイルスの影響で中断していたリーグが6月に再開されると本領を発揮。4得点4アシストをマークし、才能の片鱗を見せた。スペイン国内クラブのほか、欧州各国の名だたる強豪クラブが獲得に向けて久保にラブコールを送っており、来季の去就が注目の的になっている。

 大器の実力が高く評価されて、地元メディアを連日のようににぎわせているが、19歳MFの争奪戦がここまでヒートアップするのは理由がある。欧州クラブに所属する日本代表選手を担当する代理人は「経営側が日本の市場を狙ってどうしても(久保を)獲りたいというクラブもかなりある」と指摘した。

 久保は日本代表の次期エースとして日本国内での注目度は絶大。その人気を証明するかのように、今季は期限付き移籍ながらもマジョルカに大きな収益をもたらした。同クラブのアルフォンソ・ディアス最高経営責任者(CEO)も「素晴らしい選手であるだけでなく、ビジネスの観点からもクラブにとって大きな存在」と語っているように、コナミなど複数の日本企業とスポンサー契約を締結した。

 また、ユーチューブでの再生回数(6月)がスペインクラブの中で、バルセロナ、Rマドリードに次ぐ3位。地元紙「アス」によると、その再生回数は約247万回を記録した。さらにマジョルカ戦の合計視聴者数は2部だった昨年比で約10倍と激増し、ツイッターやフェイスブックといったSNSのフォロワー数も驚異的な伸びを見せた。

 こうした久保人気の裏付けにより「来季所属するチームは(SNSなどの)数字をもとにすることで、マジョルカより大きなスポンサー契約を得られるのではないか」と大手広告代理店の関係者は分析。期限付き移籍による短期間の在籍であっても、抜群の影響力を誇る〝久保ブランド〟を欲しがる企業は続出するはず。営業戦略によっては、推定1000万ユーロ(約12億3000万円)前後の収益も見込めそうだ。

 ピッチ内外で並外れた〝実力〟が証明されている。数多くのクラブにとって垂ぜんの存在になっているのもうなずける。