日本の至宝が“レジェンド”への道を歩み始めている。スペイン1部レアル・マドリードから期限付き移籍し、マジョルカでプレーする日本代表MF久保建英(19)は、9日のレバンテ戦でリーグ再開後初得点となる今季4ゴール目をマーク。降格圏に沈むチームは2―0の勝利を収め、3試合を残し、1部残留圏内まで勝ち点3差にまで詰めてきた。

 そんなミッション達成の先に見えてくるのは、「クラブ史上最高の英雄」という称号だ。現在そこに君臨するのは、元カメルーン代表FWサミュエル・エトー氏(39)。5シーズン(1999~2004年)在籍し、03年のスペイン国王杯優勝の立役者となるなど大活躍だった。スペイン紙「アス」が「(エトー氏は)マジョルカではクラブ史上最高の選手と言われている」と報じたこともあり、その地位は揺るぎない。

 久保は今からチームにタイトルをもたらせるわけではないが、2部降格が決定的な状況からの残留となればインパクト十分。元日本代表FW大久保嘉人(38=東京V)もマジョルカ時代の04年に奇跡の残留を演出し、地元では英雄の一人と言われる。かねてベテランストライカーは「残留につながる活躍をすれば(マジョルカで)英雄になれる」と久保の奮闘に期待を寄せていたほどだ。

 久保はリーグ再開後の過密日程でも8戦連続先発中で、結果も残している。好パフォーマンスを維持して地中海に浮かぶ島で永遠に語り継がれる存在になれるのか。