キング久保 コロナ再開後初ゴールで今季4点目 1部残留の救世主となれるか?

2020年07月10日 12時00分

スペイン1部マジョルカの久保建英(ロイター)

【スペイン・マジョルカ9日(日本時間10日)発】“日本の至宝”が待望のゴールを決めた。スペイン1部マジョルカの日本代表MF久保建英(19)はホームで行われたレバンテ戦の後半39分にリーグ再開後の初ゴールを決め、2―0の勝利に貢献した。来季の去就がクローズアップされ、地元メディアを大きくにぎわせている中、2部降格圏となる18位に沈むチームを奇跡の残留に導き“サルバドール(救世主)”となれるか――。

圧巻のパフォーマンスだった。久保は新型コロナウイルスの影響からリーグが再開した6月13日のバルセロナ戦以降、8試合連続で先発出場。前半29分にエリア手前から放ったミドルシュートが惜しくもGKに阻まれるも、40分にチームが先制した直後にはドリブル突破でDF2人をかわし、クロスを上げるなど、定位置となった右サイドで躍動した。

 そして1―0で迎えた後半39分だ。久保はハーフライン付近から鋭いドリブルで敵陣に切り込むと、ゴール前まで持ち込み、右足でシュートを放つ。敵GKに横っ飛びでファインセーブされるも、味方がボールをつなぎ、最後はMFサルバ・セビージャ(36)が打ったシュートのこぼれ球に久保が瞬時に反応。左足で押し込み、追加点。久保にとってはリーグ再開後の初得点となった。

 ゴールの直後にはビセンテ・モレノ監督(45)らコーチングスタッフのもとへ走り寄り、深々と頭を下げる「お辞儀パフォーマンス」を披露するなど、後半41分に交代したものの、約4か月ぶりの今季4ゴール目でチームの勝利に大きく貢献した。

 リーグ再開後の久保は好調をキープしており、マジョルカの攻撃陣をけん引。古巣のバルセロナや“本所属”となるレアル・マドリードとの対戦でも大きな存在感を示すなど、中断期間を経て“覚醒”した姿を見せている。スペイン紙「マルカ」は、久保について「この偉大な若き日本人の素晴らしい個人技」とし「アス」紙も「自らボールを運び、勝利を決定づけた」と絶賛。また、スペインリーグ公式ツイッターでは「KING KUBO」と題し、その活躍を取り上げた。

 レベルアップした久保には、すでに来季の去就を巡る報道が過熱。現在はレンタルでマジョルカに加入しており、来季はどこでプレーするかに地元メディアは注目している。久保はかねて「僕の望みはRマドリードでプレーすること」と語っているが、EU圏外枠(外国人枠)の問題もあり“復帰”は厳しい見通し。すでに同国内のヘタフェやレアル・ソシエダードなど、来季の欧州カップ戦出場圏内のチーム入りが有力視されている。

 ただ、各メディアによると、フランス1部の名門パリ・サンジェルマンのように海外クラブも久保に興味を持ち、ドイツ1部ドルトムント、イタリア1部ACミランなど、名だたるビッグクラブが久保に熱視線を注いでいるという。また「アス」紙は、レアル・マドリードが流出を阻止するため、久保の移籍金を2億5000万ユーロ(約300億円)に設定したと報じたように、その価値は日増しに高まっている。

 今後が注目される久保も、まずは目の前の危機を救わなければならない。マジョルカは現在、2部降格圏の18位に低迷するも、この日の勝利で勝ち点を32に伸ばし、1部残留となる17位のアラベスと勝ち点3差、16位セルタと同4差に迫った。久保は3日のアトレチコ・マドリード戦後に「残り試合を全勝すれば残留の可能性はある」と語っていたように、“救世主”として残り3試合に全力を注ぐ。