パリSG 久保建獲りの本気度

2020年06月03日 16時40分

久保建英(ロイター)

 スペイン1部マジョルカに所属する日本代表MF久保建英(18)の争奪戦が激化している。同1部レアル・マドリードからレンタル移籍でプレーする“日本の至宝”を巡って国内外のクラブが来季の獲得に向けた動きを活発化。そんな中で特に力を入れているのが、フランス1部の強豪パリ・サンジェルマンだ。久保獲得に名乗りを上げたフランス名門の“本気度”とは――。

 RマドリードのEU圏外(外国人)3枠が埋まっている現状から久保の復帰は厳しいとみられる中、同クラブの情報を専門に扱うスペインメディア「デフェンサセントラル」が「マジョルカ、レアル・ソシエダード、ベティス、パリSGが久保獲得へ争奪戦を繰り広げる」と報じている。

 本命のRソシエダードはRマドリードからレンタルで獲得したノルウェー代表MFマルティン・ウーデゴール(21)の後釜として久保獲得をもくろみ、かつてMF乾貴士(32=エイバル)が所属したベティスも実力を高く評価。久保はスペイン語が堪能だけに同国勢が優勢との見方もあるが、獲得への本気度が最も高いのが実はパリSGだ。

 ブラジル代表FWネイマール(28)を擁するパリSGの動向について大手代理店関係者は「日本をアジア市場開拓の拠点に位置づけ、本格的に事業をスタートさせている。公式ショップなどを開き、今後も様々な事業を展開させていくので日本人選手、しかもスターが欲しい。そこで久保の獲得はクラブを挙げてのプロジェクトと言える」と指摘する。

 近年は欧州ビッグクラブの間では市場の奪い合いが起きているが、パリSGは日本マーケットを重要視。2018年に東京・渋谷にオープンした「PSGストアトウキョウ」を皮切りに同じ渋谷にもう1軒、さらに名古屋にも出店した。また世界初の公式カフェを都内に開店し、事業を多角化。昨夏にはクラブがスポンサー契約を結ぶ日本企業のイベントにフランス代表FWキリアン・エムバペ(21)を来日させ、他クラブと差別化を図ろうと躍起になっている。

 だが、やはり日本のファンを引き付けるには日本選手の獲得がアピールポイントになる。そこで日本代表エース候補で有力選手ひしめくパリSGでもレギュラーになれる逸材の久保に白羽の矢を立てたのだ。

 実際、パリSGは昨年もRマドリードとともに久保争奪戦に参戦。さらに地元メディアによると、パリSGは完全移籍を狙って2000万~2500万ユーロ(約24億~30億円)という破格の移籍金を提示したという。久保獲得に向けた本気度の表れで、完全移籍が難しい場合はレンタルでの獲得も検討している。

 Rマドリード側は引き続き、レンタル移籍での武者修行に出す方針のため、完全移籍のオファーは断る方針と報じられているが、熱烈ラブコールで“日本の至宝”が花の都に渡ることはあるのか注目されそうだ。

 久保の獲得にはトルコ1部ベシクタシュも乗り気だ。地元の「Fotospor」など複数メディアが「ベシクタシュは18歳のキャプテン翼を求めている」と報じた。

 ベシクタシュは、昨季まで元日本代表MF香川真司(31=現サラゴサ)が所属し、同1部ガラタサライに所属するDF長友佑都(33)の獲得にも興味を示している。クラブが日本企業からの支援を受けていることもあって和製イレブンの獲得にも積極的。同メディアは「ベシクタシュは(久保の代理人)ロベルト佃から一つの提案を受けた。久保のレンタル移籍という話だ」とし、安値で加入が可能と伝えている。

 また、スペインメディア「Transfer20」は、イタリア1部ACミランが久保をレンタルで獲得しようともくろんでいると報道。かつて元日本代表MF本田圭佑(33=ボタフォゴ)が所属したビッグクラブだが、来季に向けて久保はどんな決断をするのか。