注目度急上昇の若手ストライカーが“南野式”でステップアップなるか。ドイツ1部EフランクフルトのFW鎌田大地(23)が敵地ボルフスブルク戦(5月30日)で決勝点を挙げ、2―1の勝利に貢献した。2試合連続ゴールで今季公式戦2桁の10得点に到達し、評価はうなぎ上り。クラブ側は来季で切れる契約の延長を望んでいるが、鎌田のもとには続々オファーが舞い込みそうだ。

 先発出場した鎌田は1―1の同点から値千金の決勝弾を叩き込み、チームを勝利へ導いた。前節のフライブルク戦に続いて2試合連続ゴールとなり、新型コロナウイルス禍から再開したドイツで強烈な存在感を放っている。

 鎌田の実力はクラブ側も高く評価。ドイツ紙「ビルト」によると、強化部門トップのブルーノ・ヒューブナー氏が「契約延長して彼と今後も一緒に戦いたい」と語り、今季終了後に2021年夏で切れる契約の延長交渉に入る予定だ。

 17年6月にJ1鳥栖から移籍。昨季はベルギー1部シントトロイデンへの期限付き移籍で活躍し、今季は晴れてEフランクフルトに復帰した。ようやくチームに順応してきただけに、契約延長が既定路線とみられる。ただ、現在の急成長ぶりですんなり契約延長となるかは不透明になってきた。ドイツはもちろん、欧州各国のクラブから熱い視線が注がれているからだ。

 別の欧州組を担当する代理人はこう指摘する。「今季の鎌田は欧州リーグ(EL)での活躍が目立っていて、ドイツよりも国外のクラブで評価を上げている。欧州カップ戦の舞台に強いのはMF南野(拓実=25、リバプール)と同じだし、そういうステップアップの仕方もあるかもしれない」

 鎌田は今季のリーグ戦で2得点にとどまるが、その一方で抜群の決定力を見せているのが欧州各国の強豪クラブが集うELだ。昨年11月には、1次リーグでイングランド・プレミアリーグの名門アーセナルから同点、逆転弾の2発で大金星の立役者となった。

 2月にもEL決勝トーナメント1回戦でオーストリアの強豪ザルツブルクからハットトリックの大活躍。ELの試合はビッグクラブを含め多くのスカウトが視察しており、「カマダ」の名が欧州各国にとどろいた。日本代表で同僚の南野も欧州チャンピオンズリーグ(CL)で大活躍し、ゴールを奪った強豪リバプールへの移籍を果たした。同じ道をたどり、鎌田にもビッグクラブへのジャンプアップが期待されるのだ。

 昨年は森保ジャパンでもA代表デビューを飾り、飛ぶ鳥を落とす勢い。モテモテのオフとなりそうだ。