サッカー界の機能がほぼすべてストップした。欧州サッカー連盟(UEFA)は17日、新型コロナウイルスの感染拡大により、今夏に予定されていた欧州選手権の1年延期を発表。

 さらに南米サッカー連盟も同日、6~7月に開催予定だった南米選手権を1年延期することを明らかにした。

 欧州選手権は6月12日から7月12日まで開催するはずだった。ただ、今大会は欧州広域の12都市を会場とする異例の方式で、選手、関係者、サポーターの移動が激しくなることもあって懸念は広がっていた。UEFAは人々の健康面を第一とした上で「欧州選手権の延期が、中断している各国内リーグの日程を完了させることの助けになる」とし、中断している各国リーグ戦や欧州チャンピオンズリーグ(CL)、欧州リーグ(EL)の日程消化を優先させたい考えを示した。

 南米選手権も今回はアルゼンチンとコロンビアの共催ということで、国をまたぐ移動による感染拡大の不安から中止を決定。両選手権の新たな日程はともに2021年6月11日開幕で、7月11日が決勝。同時期には、国際サッカー連盟(FIFA)が大会方式を改編して出場チームが拡大する新しいクラブW杯の中国開催が決まっており、代表チームとクラブチームによる大規模な大会が重なることになる。両立は不可能なため、有力クラブと各国代表チームによる“綱引き”が激化するのは必至だ。

 両選手権はW杯と同等の規模で行われるビッグイベント。それが早々に延期を決めたことの影響は大きい。

 東京五輪の延期論にも拍車が掛かるのは避けられない情勢だ。