ブラジル1部の名門ボタフォゴ入りが決まった元日本代表MF本田圭佑(33)を悩ませる現地事情とは――。

 昨年12月にオランダ1部フィテッセを退団し、新たな所属先を探していた本田が選んだ新天地はブラジル。ただ、加入前の交渉で本田はボタフォゴに仰天要求をしていたという。ブラジルメディア「グローボ」は、給与の月払いと自身の名前が入ったグッズの売り上げに応じたボーナスの支払い、個人トレーナーの帯同などとともに「防弾ガラス付きの装甲車」を契約に盛り込んだと報じた。

 ボタフォゴの本拠地があるリオデジャネイロは治安が悪いことで知られる。「ファベーラ」と呼ばれるスラム街が多くあり、マフィアや麻薬組織の巣窟となっている。2016年のリオ五輪でも話題となったが、警察との“抗争”では市街地でロケット弾が飛び交うことがあるなど、まさに無法地帯。本田も現地情報をチェックした上で、クラブ側に“装甲車”を要望したわけだ。

 特にブラジルでは多くの年俸を稼いでいるサッカー選手が狙われる事件が多発。1994年米国W杯前にはブラジル代表のエースFWロマーリオの父が誘拐され、身代金を要求されるなど、これまで多くの有名選手とその家族がターゲットにされている。本田もイタリア1部ACミランに所属した実績からマフィアなどからマークされる可能性もあり、対策を施したとみられている。

 31日には自身のツイッターに「ボタフォゴでプレーすることを決めました。リオの街を一緒に知りたいです」などとポルトガル語でコメント。熱望する東京五輪出場に向けてサッカー大国で再スタートするが、無事にアピールできるか。