【前園真聖・ゾノの焦点!】日本のエースは輝けるか。世界クラブ王者のリバプール(イングランド)に来年1月から加入するMF南野拓実(24)について元日本代表MF前園真聖氏(46=本紙評論家)がスタメンを奪取する“条件”を提示した。

 リバプールはドーハで行われたクラブW杯決勝(21日=日本時間22日)で、延長の末にフラメンゴ(ブラジル)を1―0で下して世界最強となりました。その指揮官はドルトムント(ドイツ)でMF香川真司を育てた世界的名将のユルゲン・クロップ監督(52)。南野にとっては最高の環境にステップアップできたと言えます。

 今後のプレーが楽しみで、期待も大きいのですが、すぐにレギュラーになるのは難しいでしょう。リバプールにはエジプト代表FWモハメド・サラー(27)、ブラジル代表FWロベルト・フィルミノ(28)、セネガル代表FWサディオ・マネ(27)と“世界最強3トップ”をはじめ、ワールドクラスの選手が名を連ねているからです。

 南野がスタメンに定着するためには同僚選手、特に3トップとの信頼関係を構築することが不可欠と考えています。試合に出たときに相手のマークを引き付けて潰れ役となるなど味方をサポートすること。それを示せれば、今度は南野もチームメートの援護を受けて自身のパフォーマンスを発揮できるようになるはずです。

 一般的に移籍直後は独善的なプレーをしてでもアピールすることが必要と言われます。ただ今回はシーズン途中の加入なので、まずはチームにフィットできるところを見せる。そこが重要なテーマになります。幸いリバプールは試合数が多く、ターンオーバー制(スタメン入れ替え)で試合への起用が見込めるのでポジションを確保するチャンスも十分にあります。

 南野個人の能力について不安はありません。高い技術力と決定力を持ち、ハードワークもできます。実力を発揮できる“チーム環境”を整えることこそがレギュラー定着の最短ルートになるでしょう。