【イタリア・ナポリ5日(日本時間6日)発】サッカーの欧州チャンピオンズリーグ(CL)1次リーグ第4節でE組ザルツブルク(オーストリア)の日本代表MF南野拓実(24)は1―1で引き分けた敵地のナポリ(イタリア)戦で後半16分までプレーしたが、無得点だった。それでも鋭い動き出しや華麗な足技でチャンスを演出。決勝トーナメント進出に可能性を残した。

 CL初参戦となった今季は、第2節のリバプール(イングランド)戦で1得点1アシストの活躍で、一気に欧州に名を売った。日本代表でもカタールW杯アジア2次予選タジキスタン戦(10月15日)まで3試合連続ゴールを達成。W杯予選開幕からの記録ではカズことFW三浦知良(51=横浜FC)に並ぶ快挙で、完全にひと皮むけた印象だ。

 昨季までと一体何が変わったのか。一番の要因は今季のザルツブルクのメンバー構成にある。昨季途中から加入した19歳の若きストライカー、ノルウェー代表FWエルリング・ハーランドが今季開幕から大爆発。この日もPKで得点し、CL4試合連続となる7ゴール目を挙げた。将来的には巨額の移籍金でビッグクラブへステップアップするのは確実と言われる。

 この超新星と南野の相性は抜群。南野は194センチと長身のハーランドの高さを生かすパスを出し、ハーランドも南野のスピードを生かすポストプレーをいとわない。ここに次世代の韓国代表を背負うといわれるFW黄喜燦(23)が絡む攻撃は迫力十分。南野は味方を生かし、自分を生かしてくれる動きに磨きをかけ、プレーの幅を広げたわけだ。

 もちろん、それもCLという欧州最高峰の舞台があってこそ。南野自身のステップアップのためにも、1次リーグの残り2試合は重要だ。