日本サッカー協会は3日、カタールW杯アジア2次予選モンゴル戦(10日、埼玉)とタジキスタン戦(15日、ドゥシャンベ)に臨む日本代表メンバー23人を発表し、今季好調のMF南野拓実(24=ザルツブルク)が順当に選出された。欧州チャンピオンズリーグ(CL)のリバプール(イングランド)戦(2日=日本時間3日)で大活躍し、イタリアを中心に欧州各クラブで大争奪戦が繰り広げられそうだ。

 南野は昨季王者リバプール戦でCL初ゴールとアシストをマーク。3―4で敗れたものの、王者を追い詰めた。英紙「デーリー・ミラー」は「リバプールのファンがユルゲン・クロップ(監督=52)に南野の獲得を要求」と大々的に報じ「移籍金の数字が上がるだろう」と南野の価値上昇を予測した。

 南野は17日(日本時間18日)に日本代表MF伊東純也(26)の所属するゲンク(ベルギー)戦でも2アシストと世界最高峰の舞台で存在感を見せ、すでに注目度は大幅アップ。イタリアメディア「カルチョメルカート」は「ビリャレアルが南野とのサインに興味を持っている」とスペイン1部からの関心を報じたように、名門クラブが興味津々だ。

 ザルツブルクとは2021年夏まで契約が残っているが、かねて欧州強豪リーグへのステップアップを切望。クラブ側も選手の売却に積極的とあって来年1月に解禁となる冬の市場での移籍が有力視されており、移籍金も700万~800万ユーロ(約8億2000万~9億3000万円)に設定される見込みだ。

 では、いったい新天地の有力候補はどこか。欧州クラブ所属選手を担当する代理人によると「イタリアの複数クラブが動くことは間違いない。以前にEL(欧州リーグ)でスカウトが直接(南野を)チェックしていて高く評価されていた。DF冨安(健洋=20、ボローニャ)のプレーで日本人選手が再び評価されてきているのもある」。

 南野は3月のナポリ戦や、昨年4月のラツィオ戦などELの舞台でイタリアの強豪クラブを相手に活躍。同国での人気が高まっており、すでに獲得へ向けて入念に準備を進めているクラブもあるという。かつてインテルでDF長友佑都(33=ガラタサライ)、ACミランでMF本田圭佑(33)が活躍したが、今夏に加入した冨安が同リーグに与えた衝撃も追い風になりそうだ。

 森保ジャパンのエース候補はカルチョの国で待望の飛躍を遂げるのか。W杯アジア予選を戦う日本代表での活躍も移籍の後押しになるはずだ。