“日本の至宝”がブレークするためのキーマンとは――。森保ジャパンが2022年カタールW杯アジア2次予選ミャンマー戦(10日、ヤンゴン)に臨む。注目のMF久保建英(18=マジョルカ)は代表レギュラー奪取へ向けてさらなるアピールを狙うが、フィジカルの強化は必須だ。古巣のJ1FC東京関係者は課題克服へ、ベテランDF長友佑都(32=ガラタサライ)が開く“道場”への入門を勧めている。

 スペインでプロデビューを果たした久保は、日本代表でも最年少ゴール(現在の記録は19歳119日)の更新をはじめ数々の記録がかかるなど、日に日に注目度が高まっている。だが代表では主戦場となる2列目のポジション争いがシ烈で、レギュラー奪取は道半ばだ。

 特に課題となるのは身長173センチ、体重67キロと成長途上にあるフィジカル面だ。久保はまだ18歳になったばかりでさらなるレベルアップが見込まれるものの、日本代表として国際舞台で活躍するには徹底した強化が求められている。

 そこで古巣のFC東京関係者は「それ(フィジカル)を補うとすれば体幹。一つヒントになるのは、同じような体格で欧州で長年やっている長友だろう。彼はガツガツ筋力トレーニングをやるわけでもないし、基本的にずっと体幹を重視し、ヨガも取り入れている」と話し、久保にベテランDFを“お手本”とすることを勧めた。

 久保にとって長友は旧知の仲で、幼少期から同じトレーナーのもとで鍛錬してきた。現在は長友がストレッチやヨガなどを取り入れた独自の体幹トレーニング法を確立。代表活動中には“長友塾”を開催し、イレブンにも積極的に体幹強化法を伝授している。

 中でもMF堂安律(21=PSVアイントホーフェン)は「あの人とトレーニングをすることで自分の弱さに気づかせてもらった。佑都くんはオープンな方なので、すごく聞きやすい。僕のこれからのトレーニングが全て変わるんじゃないか」と心酔する“長友師匠”のもとで、肉体改造に取り組む。久保は身長172センチの堂安とほぼ同じ体格だけに、大いに参考になるはずだ。

 長友は久保について「久しぶりに化け物が出てきた。大物になるために順調に成長してほしい」と常に気にかけており、5日のパラグアイ戦後には「やっぱりゴールがないと。良いプレーだけでは評価されない」とあえて厳しい言葉をかけるなど“先生役”らしい姿を見せている。

 同じ門下生の堂安は、くしくも右サイドでレギュラー争いを展開する相手。ライバルと一緒に長友流で飛躍のきっかけをつかむ。